まじめ道楽

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耳コピコード進行解説『空とキミのメッセージ』

『空とキミのメッセージ』

歌:ChouCho

作詞:こだまさおり

作曲:矢吹香那

(2013年)

アニメ『翠星のガルガンティア』エンディング曲

 

◎ミドルテンポで落ち着いたリズムを刻みながら、サビではしっかり盛り上がり、Chouchoさんの跳躍した裏声がきれいで、爽やかな雰囲気の曲です。

 

Key:E→G(転調あり)

◇イントロ

E|E|G#m|G#m|A|B|E|E

◇Aメロ

E|E|G#m|G#m|A|B|E|E

E|E|G#m|G#m|A|B|E|E

◇Bメロ

A|B/A|G#m|C#m

F#m|G#m|C D |E♭ F

◇サビ

G|Bm|C|Cm

Bm|A|Am Bm |C D 

G|Bm|C|Cm

Bm|A|Am Bm |C D

◇間奏

G|C|D|D

◇2番Aメロへ(1番と同様に繰り返し)

◇間奏

C|Cm|Bm|Em

Am|B7|Em E♭aug|G/D A/C#

C|D/C|Bm|B♭

Am|Bm|E♭|D

◇3番サビへ

アウトロー

G|C|D B7 |CM7

 


◎イントロとAメロは同じコード進行になっています。

ここでの主調はE。

E→G#m(Ⅰ→Ⅲm)で、

E→B(Ⅰ→Ⅴ)よりも短3度下の落ち着いた雰囲気になっています。

◎Bメロは、

A|B/A の分数コードが使われています。

Aのベース音ラの音を残したままBのコードへ続きます。どこか哀愁がありますね。響きの変化をつけるには効果的な進行です。

 

☆ポイント

F#m|G#m|C D |E♭ F

Bメロからサビへ移る進行で転調しています。

C→Dは主調がEならばベース音がド→レ→ミと順次上昇してダイナミックな終止を迎えられるのですが、この後にE♭→F→Gへ続いています。

これはすでにGへ向かって順次進行しています。

ド→レ→ミ→ミ♭→ファ→ソ

一つずつ階段を上るように盛り上げていく進行によって、E→Gへの転調を自然に繋げていく、効果的な進行です。

よく使われる進行ですので、覚えるととても便利です。

 

☆ポイント

サビにもポイントがあります。

グッと来ます。

G|Bm|C|Cm|Bm|A|Am

C→Amまでの進行でCmとAが現れます。これはkey=Gの音階には含まれない音がありますが、違和感なく繋がる工夫がされています。

C→Cmは、Ⅳ→Ⅳmのパターンとしてよく登場します。コードの第三音を半音下げて切なさや哀愁を漂わせます

C→Cmでは第3音がE→E♭に低下します。

順に第3音を見ていくと、

コード:C→Cm→Bm→A→Am

第3音:E→E♭→D→D♭→C

半音で一つずつ順に低下しているのがわかると思います。

このAはAmの第3音が半音上がり、明るいコードになり、ドミナントに導く進行です。

ドミナントは曲がもう終わりますよーの合図になります(音楽の授業で、起立→礼→着席で先生がピアノで弾く和音の礼にあたる部分というイメージ)。

ここが一番グッと来ます。心臓鷲掴みにされます。

読みといていくと、このAに至るまでの進行が違和感なく繋がるよう、丁寧に作られていたわけですね。

CがCmに変わった瞬間から、

お?Cmかましてきたな...Bmに下がって...もしや...

Aキター(゜∀゜)―ッ!

って感じです(うるさい)。

この後では、

Am→Bm→C→Dと、再び上昇しています。

まるで上下に揺れる波のような形になっていて面白いですね。

ピアノで弾くとコードを転回させて弾いたりバリエーションの工夫ができそうです。

 

◎一曲を通して転調はありますが、劇的な変化には感じられず滑らかな進行に繋がる巧みさでさらっと聴けて、ひと工夫味わいがあり、聴き応えのある名曲だと思います。

二番Aメロからバスドラが四拍子を刻みスネアが入ってきて、テンポに躍動感が増してくるあたりがとてもよいです。

ヘビロテしてます。

 

◎歌詞は載せませんでしたが、この曲はアニメ『翠星のガルガンティア』に登場するヒロインの心情を歌い上げています。

身近な人や遠くにいる誰かの頑張っている姿を思って、自分も頑張ろうと励まされる曲です。

アニメは、冒険やSFが好きな方へオススメです。

私はすっかり好きになり、小説を買ったぐらいにして。

 

 

空とキミのメッセージ

空とキミのメッセージ

 

 

空とキミのメッセージ/choucho

https://www.youtube.com/watch?v=4W2OseDQQYk&feature=share

 

以上、コード進行解説でした。

読んでくださってありがとうございました。