まじめ道楽

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耳コピコード進行解説『1000回潤んだ空』Poppin’Party(バンドリ!)

ご無沙汰しています。

バンドリ!ガールズバンドパーティ」より、Poppin’Party(ポピパ)の『1000回潤んだ空』の耳コピコード進行です。

今更ですが……この曲すごかったです……。

バンドリ!のストーリーに関しては、ガルパのバンドストーリーを読んだだけで、アニメと小説はすべて読めていません。三期も始まるそうなので、それまでにすべて観て、読んでおきたいところなのですが…。なので、ストーリーをなぞらえてこの曲がどれほどの存在感があるかがわからず、このブログで考察ができなくて申し訳ありません。コード進行で見ると、かなり熱い展開になっています……!主人公の香澄ちゃんの気持ちを歌っているような歌詞も好きです。

1番のAメロからサビにかけては、しっとりしたピアノ伴奏とギター(おそらく二本)のストロークだけで歌われています。サビでベースが加わり、ドラムはシンバルのみ。二番からドラムがスネアを叩き始める。熱いリズムを刻み始めます。楽器パートが全員揃い、一気に盛り上がります。まるで、ポピパのメンバーが加わっていくストーリーをなぞるかのように、楽器の音が増えていきます。香澄、おたえのギターと、有咲のピアノから始まり、りみのベース、沙綾のドラムで曲が少しずつ彩りを増していきます。

ではさっそくコード進行を追っていきます。

※以下のコードはあくまでも私個人の聴き取りによるものなので、正確さや細かなニュアンスに欠ける部分があります。ご了承ください。

 

『1000回潤んだ空』

歌:Poppin’Party

作詞:上松範康Elements Garden

作曲:上松範康Elements Garden

(2017年)

 

key=E♭→C→F

◇イントロ

E♭|E♭|E♭|E♭

 

◇Aメロ(素顔の自分〜)

E♭|A♭|B♭ G/B|Cm

E♭|A♭|B♭ G/B|Cm|E♭|A♭|B♭ G/B|Cm

F|F|Fm|B♭|Cm B♭A♭|A♭|Cm B♭A♭|A♭|Cm B♭A♭|A♭|Cm B♭A♭|A♭|G|G |

 

◇Bメロ(よく晴れた風の下で〜)

Am|F|C|G E/G#|Am|F|C|G E/G#|

Am|G|F|C|Dm|Em|Fm|Fm|C|C|C|C

 

◇サビ(やっぱ誤魔化せないよこの想い〜)

F|Em-5 A7|Dsus4|D|Gm|B♭aug/G♭|B♭/F|Em7-5 A

Dm|Faug/C#|F/C|G7/B|G7|G7

B♭|C|Dm C B♭|B♭|Gm|C|

 

◇一番終わり後間奏、二番Aメロへ

F|C|Dm C|B♭ C|Dm|C|B♭|B♭

F|C|Dm C|B♭ C|Dm|C|B♭|B♭|A♭|A♭|G♭|G♭|B♭|B♭|B♭|B♭

 

◎この曲の魅力は、一番が終わるまでに転調を二回行なっているところです。E♭→C→Fという流れ。転調は、曲の雰囲気に変化をつけるために効果的な方法で、たいていは最後のサビ前の間奏や、最後のサビに大きな展開を持ってきて盛り上がるというのはよく耳にすると思うのですが。この曲は一番が終わるまでに二回も変化がつけられており、なおかつその変化が劇的ではなく、滑らかに繋がっているというところです。

Aメロから追っていきます。キーはE♭。

このパートは、G/Bの分数コードでしっかりとベース音を辿り、B♭→B→Cの流れを繋げてあげることが大事かなぁと思います。

さて、Aメロの終わりとBメロを繋ぐコードで最も重要なのは、Aメロ最後に出てくる赤字のGです。AメロからBメロは、E♭からCへ転調します。Aメロ(E♭)でのGは、Ⅲのコードですが、Bメロ(C)でのGは、Vのコードでもあります。いわゆるドミナントコードで、主調のメインのコードへと導く効果のあるコードになります。つまり、Gコードは、AメロとBメロ、どちらの調にも(構成音として)含まれているコードというわけです。なので、AメロからBメロを滑らかに繋ぎながら転調することができます。

Bメロへ続きます。

Gコードの橋渡しのおかげで、無事に転調できたBメロ。ここでも、E/G#という分数コードが出てきますので、G→E/G#→Amのベース音をしっかり辿っていきたいところです。

さて、Bメロとサビを繋ぐコードで重要なのが、赤字のCコードです。Bメロからサビは、CからFへ転調します。Bメロ(C)でのCは、Ⅰのコードですが、サビでのCは、Ⅴのコードとなります。こちらもサビのF調にとってはドミナントコードで、CからFへと導く効果のあるコードになっています。同様に、CコードはBメロとサビのどちらの調にも(構成音として)含まれます。なので、Bメロとサビを滑らかに繋ぐことができます。

ここまでが、自然に転調を行うカラクリの紹介でした。この展開を意識しながら原曲を聴くと、パートが進むたびに曲調が絶妙に変化して盛り上がっていく様子を感じられると思います。ぜひ原曲を聴いてみてください!

 

◎さあ、二回の転調を経て奏でられるサビも熱いコード進行のオンパレードです。

まずはこちら、F|Em-5 A7 です。これは(Ⅰ→Ⅶm-5→Ⅲ7)という形としてよく登場するシャレオツコードなので、覚えるといつでもどこでもお洒落な演出ができます。ド定番の形ですが、やっぱりこれがオサレなんですよね(個人的感想)。

これだけでもすっごくいいのですが、それだけではありません。多くはⅠ→Ⅶm-5→Ⅲ7からⅥmに繋がります。ここではA7からDmに行きたいところなのですが、この曲ではDsus4→Dとしてるところが熱いんですよ……‼︎ Dmの第三音を半音上げることで、またさらに次のコードを煽ってくるのです。A7でも充分煽られてるのに、Dでさらに圧をかけてきます。「まだまだそんなもんじゃないだろう?!」と誘ってくるDコードの言葉が聞こえてきます(幻聴)。

そんなDコードが導くのはGmです。Dコードで半音持ち上げられた第三音(F#)がGmの主音(G)へと繋がるわけです。そしてそして、現れるのが緑字のGm|B♭aug/G♭|B♭/F|Em7-5 の進行。これは以前のコード進行解説でも登場したクリシェの形です。GmからEm7-5へ、階段を降りるようにベース音がG→G♭→F→Eへと半音ずつ順次進行しています。

あれだけ煽ってきたのに、今度は半音ずつ下げてくるツンデレみたいです。最高です。

エモい展開はまだまだ続きます。

階段を降りたと思ったら、再び現れるA7。今度はおとなしくDmへと進行してくれます。しかし続いて現れたのは、緑字のこちら。Dm|Faug/C#|F/C|G7/B

クリシェです。

さっきクリシェしたのに…!もう私のライフがガンガンに削られているのに追い打ちをかけてきます。

DmからG7へと、ベース音がD→D♭→C→Bと、同様に順次進行して行きます。最後にはB→B♭へとサブドミナントのコードに落ち着きます。

……もう怒涛のエモコード進行の嵐で、切なさに溢れて恍惚とした気持ちになります。コードが展開されるたびにあぁ……というため息しか出ません(変態)。これらのコード進行が曲の雰囲気を増してくれて、ただまっすぐな気持ちだけじゃない、揺れる気持ちや哀愁、切なさを沸きたててくれます。

 

◎また、この曲の熱いところは一番と二番のギャップだと思います。一番ではピアノとギターでしっとりと歌われ、音数や刻まれるリズムの数が増え、サビからベースが加わり、ドラムは二番から加わり、盛り上がりに拍車をかけていきます。ガルパのリズムゲーム部分で聴けるのは、この二番からなので、ぜひ原曲を始めから聴いていただくことをオススメしたいです!

 

コード進行の良さを文章で伝えようとすると、どうしても語りがおかしくなってしまうのをご了承ください…。こればっかりは実際に曲を聴いて感じていただくしかないかと思います。言葉にできない感情を表現できるのが、音楽の良さなのですよ(まとめたつもりか)。

 

では、ここまで読んでくださってありがとうございました。

1000回潤んだ空

1000回潤んだ空

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