まじめ道楽

観たもの、聴いたもの、読んだもので生きる

耳コピコード進行解説『うぃーきゃん☆フレフレっ!』ハロー、ハッピーワールド !(バンドリ!)

バンドリ!ガールズバンドパーティ」より、ハロー、ハッピーワールド !の『うぃーきゃん☆フレフレっ!』の耳コピコード進行です。

 

ご無沙汰しています。イベント『フルスイング!ハロハピソフトボール』、素晴らしすぎでは!?!?

ハロハピのイベストはどれも本当に良くて、読むたびに舌を巻き、感嘆するばかりなんですけど、今回は特に良き……ハロハピが次に進みました。ハロハピ一章の勇気とヒーローの話を再演、さらに磨かれ、再びあかりちゃんと共に展開されるストーリー。試合でボールをうまく打てないあかりちゃんに、こころちゃんが直接手を出さずともメンバー主体でハロハピの理念を実行に移し、今回助けたのはハロハピではなく、あかりちゃん自身が自分の力で問題を乗り越えたんだよと、はぐみちゃん主体で示した。今年の秋に公開されるバンドストーリー3章が示唆されていそうなイベストでした。ハロハピの次の段階を見せられた気がしています。特にほどほどダウナー奥沢さんが、全力で楽しもうとしていた変化が、ついにここまで来たかと。とてもとても愛おしかったです(個人的誇大感情)。今回もそれについては置いておいて……コード進行解説に行きます。

今回のイベントストーリー楽曲『うぃーきゃん☆フレフレっ!』はすごく良い曲でした……。ハロハピの全力の応援歌。「努力」というフレーズがハロハピの歌詞に登場すること。勇気をもらったあとは、自分の力を信じて物事に立ち向かうこと。一章で描かれた「みんながヒーロー」とこころちゃんによって掲げられた言葉をまさに体現して見せられました。それが歌詞にも含まれていると感じました。良い曲すぎて、フレッフレッと歌われるだけでこんなに泣きそうになることある?😭😭

 

『うぃーきゃん☆フレフレっ!』

歌:ハロー、ハッピーワールド!

作詞:織田あすかElements Garden

作曲:藤永龍太郎Elements Garden

(2020年)

 

※以下のコードはあくまでも私個人の聴き取りによるものなので、正確さや細かなニュアンスに欠ける部分があります。ご了承ください。曲の長さはゲーム内のサイズです。

 

Key:B→C#→D→C#

◇サビ(さあホームラン〜)

E|F#|B|G#m|C#m D#m|E|B|C#

 

◇イントロ

C#|F#|G#|A#m|F#|F#|G#G#|C#|C#

 

◇Aメロ(フレッフレッ君はとても〜)

C#|G#/C|G#m/B|B B♭m|A|E/G#|Gdim|F# G#

C#|G#/C|G#m/B|B B♭m|A|E/G#|Gdim|F# G#

 

◇Bメロ(生き方にルールなんてない〜)

F#|G#|Fm|A#m|D#m|Fm|F#|A

 

◇サビ

D|A|Bm|F#m|G|D/F#|Em|A

G|A|D|Bm|Em F#m|G|D|C#

 

アウトロー

C#|F#|G#|A#m|F#|F#|G#G#|C#|C#

 

 

◎この曲も転調が多いです……ハロハピ最近どうした……。赤字が転調するコードなのでご注意ください。

注目するのはAメロのコード進行です。緑字のC#からF#まで、8個のベース音が半音ずつ下降しているので、丁寧に辿って弾けると、滑らかに繋がってかっこよいです。

Bメロ終わりに転調。サビでDまで上がります。サビ終わりでC#に下がり、アウトロー。おそらくこれが間奏になり、2番に進むのではと思います。

今回は以上です。

ここまで読んでくださってありがとうございました。

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耳コピコード進行解説『スマイルブーケでた〜まや〜!』ハロー、ハッピーワールド !(バンドリ!)

バンドリ!ガールズバンドパーティ」より、ハロー、ハッピーワールド !の『スマイルブーケでた〜まや〜!』の耳コピコード進行です。

 

イベント『夏の宵、水面たゆたう詩と花』が素晴らしかったですね……。ハロハピの、現時点での到達点を見た気がします。読んだ当時はあまりの感動に何も言葉にできませんでしたが、落ち着いて整理ができた頃には、語りたいことがたくさんでてきました。今回はそれは置いておいて……コード進行解説に行きます。

今回のイベントストーリー楽曲『スマイルブーケでた〜まや〜!』は面白い進行があり、私個人の勝手な解釈ですが、ストーリーの中で言及されていたことに重なるのではないかと思いました。

さっそく行きましょう。

 

『スマイルブーケでた〜まや〜!』

歌:ハロー、ハッピーワールド!

作詞:織田あすかElements Garden

作曲:藤田淳平Elements Garden

(2019年)

 

※以下のコードはあくまでも私個人の聴き取りによるものなので、正確さや細かなニュアンスに欠ける部分があります。ご了承ください。

 

Key:G→E→C#

◇イントロ

CM7|DIEm|Bm|CM7|D|Em|Bm|Em|D

 

◇Aメロ(お鼻をくすぐる〜)

G C|D G|Em Bm|D G

CM7|B7|Em|Dsus4 D

G C|D G|Em|B7

Em|D|B♭dim|B7

 

◇Bメロ(また一つと増えていくね〜)

A|Am|D#dim G#|C#m

F#m|G#m|Am|Am|F#m|F#m

Bsus4|B|Bsus4|B

 

◇サビ(イェーイと咲いた〜)

C#|F#|G# F|A#m

D#m|Fm|F# D#|G#sus4 G#

C#|F#|Fm F|A#m

F# F#m|Fm A#m|A#m C#aug/A|C#/G# D#|

G# A#|C#

 

◇間奏

CM7|DIBm|Em|CM7|D|Em|Bm|Em|D|

 

◎この曲は、1番のサビが終わるまでに2回、曲の雰囲気が変わります。Aメロ、Bメロ、サビで曲のメインの調が変化します。前回の『1000回潤んだ空』と同じ展開ですが、今回の曲の転調は、一定の間隔が保たれて行われています。全体を通して解説していきます。

まずは、イントロから。独特の雰囲気を感じた方が多いかもしれません。いつものハロハピ楽曲とは少し違い、曲の雰囲気に切なさを感じるのではないかなぁと思います。

これはCM7というコード自体がまずシャレオツなコードで、これを単体で弾いただけでもエモいです。G調(ト長調)の中でⅣ(4つ目)の和音。ド-ミ-ソ-シは、ドとシが半音隣の音で一緒に弾くとひどく濁って聞こえる不協和音なのですが、ドからミとソを距離を経て、隣同士にならない上のシを弾くと、不協和な音を出していることに変わりはないのですが、違和感の少ない、絶妙に混ざり合った和音になり、それが切なさを演出しているようです。

また、音楽が作られる上で伴奏、コードは目的を持って並べられています。一番意識されるのは「終止感」です。「ここのフレーズ、パートは一旦ここで終わりますよ」、「この曲はこの流れで落ち着くように持っていきましょう」という結びと終わりがあり、曲の中で組み立てられるコード進行によって、曲の刺激と心地よさを演出しています。たとえば音楽の授業で聞いたことがあるかもしれませんが、先生が「起立、礼、着席」と挨拶する時に、ピアノをジャーンジャーンジャーンと三回和音を弾きます。あれはドミソ→ソシレファ→ドミソという和音を弾いていて、コード名はC→G7→Cになります。3つ目のCを聞いた時に「ここで終わりですよ」という曲の終わりの合図のような、ストンと落ち着くような感覚を抱いたならば、それが「終止感」です。終わりの和音、ここではCに向かうための導入の役割を、G7のコードが担っています。

◎この「終止感」を踏まえた上で、この曲で一番特徴的なのは2回行われる転調です。

転調する調はG→E→C#と書きましたが、AメロのGと、BメロのEの終止は、GとEで感じられるようにはなっていないようなのです。どこに終止感を持ってきているのかというと、イントロとAメロのG調(ト長調)はEm(ホ短調)で終止するように演奏されます。ト長調ホ短調は仲間の調で、どちらも使う音の場所、つまり音階はほぼ同じなんです。この調の関係を平行調と言います。ですが、Gの和音(ソシレ)で終わるのかEmの和音(ミソシ)で終わるのかによって、曲の印象は変わります。わかりやすく例えると、ト長調の終わりは開放的で、明るい結末を迎えるような終止感。ホ短調は、どこか切なくてドラマチックな印象を与える終止感があります。これは和音の印象なので、一概に決められるものではありませんが、和音を聞いた時に人が感じやすい印象の話になります。

この曲ではイントロとAメロはEmへ終止。BメロはE調(ホ長調)ですが、平行調C#m調(嬰ハ短調)で終止するように演奏されます。これらがこの曲の印象を切なく、ドラマチックな雰囲気にさせている理由ではないかなと思います。普段のハロハピの、ハチャメチャに明るくて楽しい曲調とは違う印象を受けると思います。

※ここまでの解説、説明が難しくてわからん!!という方は、すっ飛ばして下の方へスクロールしていただいて、鍵盤の画像を見ていただくとわかりやすいかもしれません!

(行われている転調は、和音の真ん中の音がたった一音変わるだけで、曲の雰囲気をガラッと変える効果的な方法です。それが、AメロからBメロ、Bメロからサビに至る2回行われているということ。これが今回のイベストに絡んでいるのでは?という解釈です)

詳細を知りたい方はこのまま読み進めて下さい。

◎長くなりましたね……大変ですが、これらのことを踏まえて、この転調の特徴を解説します。

まずAメロからBメロへの転調、G→Eへ調が変わります(この曲ではEm→C#mという終止感を持つ調での転調になります)。転調の繋ぎは、赤字のB7が行なっています。このB7がどんな役割を担っているかというと、AメロのEm調の中で、Emに終止させるかCに向かう導入の役割を持っています。B7が登場したら、何事もなければ通常、次はEmかCたどり着きたいところなんです。しかし、曲はBメロに移り、なおかつC#m調へ転調します。唐突な変化でB7が困ってしまいますが、曲は滑らかに繋がれます。これは、B7が転調後のE調の中でⅤ(5番目)の和音となり、次にⅠやⅣ、Ⅵのコードへと繋ぐ役割を持ちます。つまり、G調から平行調で演奏されるEm調が、BメロでE調になり、その平行調C#mとして演奏されています。その繋ぎを赤字のB7が行なっているので、自然な繋がりに感じられます。

◎そして、AメロからBメロへの転調とほぼ同じ形で、Bメロからサビへの転調も行われています。BメロのE調が平行調C#m調として演奏され、サビでC#調へ転調します(C#mとC#の関係を同主調と言います)。少し違うのは、サビでの終止感はC#(嬰ハ長調)にあるということです。コード名に「m」がついているのは「マイナー」と呼び、「短調」という意味です。サビではC#調はC#調のまま、明るいメジャーな終止感で奏でられます。サビの開放感はこの調で演出されているわけです。

そして、Bメロとサビの繋ぎを、ここでも同じ赤字のBが繋いでいるのが面白いです。このBは、サビのC#調では出てこない(この調の構成音ではない)のですが、以前もコード進行解説に書きましたⅥ♭→Ⅶ♭→(転調後)→Ⅰへと繋ぐ進行です。

◎まとめますと、G(Em)→E(C#m)→C# となります。

主調(G)の平行調(Em) の同主調(E)の平行調(C#m)の同主調(C#)に転調しています(ややこしい)。一言で言うとエモい。

ここでは同主調というのが重要で、同主調とは長調短調かの違いです。メジャーかマイナーか。では、その違いはどこで変えられるのかというと、和音の真ん中の音です。ドミソでいうとミの音です。このミの音が、半音下がってミ♭になると短調の響きになります。ミのままだと長調の響きになります。たった一つ半音ずれるだけで転調が行われていることになります。

下の鍵盤の画像にマークをしました。1枚目の緑マーカーをした和音がEm。2枚目がEです。真ん中の音が半音上がっていますね。

3枚目のオレンジマーカーをした和音がC#mです。Eの平行調です。4枚目がC#です。同様に真ん中の音が半音上がっていますね。この変化が同主調で転調している動きになります。

○Em(イントロ、Aメロの短調)

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○E(Bメロの長調、Emの同主調)
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C#m(Bメロの短調、Eの平行調)
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C#(サビの主調、C#mの同主調)

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そして、この転調を違和感なく繋いでいるのはどちらもBのコードということでした。

あと、サビの緑文字はクリシェです(それだけですごめんなさい許して)。

 

◎イベストでの解釈

大変長く複雑になりました……(私もちゃんと説明ができているのか、伝わっているのかわからなくて申し訳ないですが)。これらのことをまるっと含めて、ストーリーと絡めた解釈をすると、ハロハピのストーリーで時折語られる「視点が変わると物事の見え方も感じ方も変わる」という考えに沿うようなコード進行だったのではと感じました。

今回のイベントでは瀬田薫が以上のことを話してますし、奥沢美咲や弦巻こころもハロハピの活動を通して、このような感想を抱く場面がありました。どんな状況も、毎日繰り返される日々も、自分の心の持ち方次第で景色や感じ方はいかようにも変化する。楽しいことが起こるのを待つのではなくて、自分から楽しもうとする、楽しいことを探していく。そんな視点の切り替えが、現実をどんな景色にも変えていける。ハロハピの活動はそんなことに気づかせてくれることが多かったように思います。『スマイルブーケでた〜まや〜!』のコード進行も、和音のたった一つの音が変わるだけで、曲の雰囲気を変えることができます。曲調が変われば、曲の印象もガラッと変わります。特に短調長調の変化はわかりやすく、サビでの明るさは際立って感じられるのではないかなと思います。

作曲をされた方が、どこまでストーリーを汲み取った曲の構成にしたのかはわかりませんが、もし意図されているものだとしたら面白いなぁと思っての解説でした。

文字で説明するのが難しく、わかりづらい解説になってしまっていたら申し訳ありません。コメントで質問などありましたら、できる限りお答えできたらと思っています。

今回は以上です。

ここまで読んでくださってありがとうございました!

耳コピコード進行解説『1000回潤んだ空』Poppin’Party(バンドリ!)

ご無沙汰しています。

バンドリ!ガールズバンドパーティ」より、Poppin’Party(ポピパ)の『1000回潤んだ空』の耳コピコード進行です。

今更ですが……この曲すごかったです……。

バンドリ!のストーリーに関しては、ガルパのバンドストーリーを読んだだけで、アニメと小説はすべて読めていません。三期も始まるそうなので、それまでにすべて観て、読んでおきたいところなのですが…。なので、ストーリーをなぞらえてこの曲がどれほどの存在感があるかがわからず、このブログで考察ができなくて申し訳ありません。コード進行で見ると、かなり熱い展開になっています……!主人公の香澄ちゃんの気持ちを歌っているような歌詞も好きです。

1番のAメロからサビにかけては、しっとりしたピアノ伴奏とギター(おそらく二本)のストロークだけで歌われています。サビでベースが加わり、ドラムはシンバルのみ。二番からドラムがスネアを叩き始める。熱いリズムを刻み始めます。楽器パートが全員揃い、一気に盛り上がります。まるで、ポピパのメンバーが加わっていくストーリーをなぞるかのように、楽器の音が増えていきます。香澄、おたえのギターと、有咲のピアノから始まり、りみのベース、沙綾のドラムで曲が少しずつ彩りを増していきます。

ではさっそくコード進行を追っていきます。

※以下のコードはあくまでも私個人の聴き取りによるものなので、正確さや細かなニュアンスに欠ける部分があります。ご了承ください。

 

『1000回潤んだ空』

歌:Poppin’Party

作詞:上松範康Elements Garden

作曲:上松範康Elements Garden

(2017年)

 

key=E♭→C→F

◇イントロ

E♭|E♭|E♭|E♭

 

◇Aメロ(素顔の自分〜)

E♭|A♭|B♭ G/B|Cm

E♭|A♭|B♭ G/B|Cm|E♭|A♭|B♭ G/B|Cm

F|F|Fm|B♭|Cm B♭A♭|A♭|Cm B♭A♭|A♭|Cm B♭A♭|A♭|Cm B♭A♭|A♭|G|G |

 

◇Bメロ(よく晴れた風の下で〜)

Am|F|C|G E/G#|Am|F|C|G E/G#|

Am|G|F|C|Dm|Em|Fm|Fm|C|C|C|C

 

◇サビ(やっぱ誤魔化せないよこの想い〜)

F|Em-5 A7|Dsus4|D|Gm|B♭aug/G♭|B♭/F|Em7-5 A

Dm|Faug/C#|F/C|G7/B|G7|G7

B♭|C|Dm C B♭|B♭|Gm|C|

 

◇一番終わり後間奏、二番Aメロへ

F|C|Dm C|B♭ C|Dm|C|B♭|B♭

F|C|Dm C|B♭ C|Dm|C|B♭|B♭|A♭|A♭|G♭|G♭|B♭|B♭|B♭|B♭

 

◎この曲の魅力は、一番が終わるまでに転調を二回行なっているところです。E♭→C→Fという流れ。転調は、曲の雰囲気に変化をつけるために効果的な方法で、たいていは最後のサビ前の間奏や、最後のサビに大きな展開を持ってきて盛り上がるというのはよく耳にすると思うのですが。この曲は一番が終わるまでに二回も変化がつけられており、なおかつその変化が劇的ではなく、滑らかに繋がっているというところです。

Aメロから追っていきます。キーはE♭。

このパートは、G/Bの分数コードでしっかりとベース音を辿り、B♭→B→Cの流れを繋げてあげることが大事かなぁと思います。

さて、Aメロの終わりとBメロを繋ぐコードで最も重要なのは、Aメロ最後に出てくる赤字のGです。AメロからBメロは、E♭からCへ転調します。Aメロ(E♭)でのGは、Ⅲのコードですが、Bメロ(C)でのGは、Vのコードでもあります。いわゆるドミナントコードで、主調のメインのコードへと導く効果のあるコードになります。つまり、Gコードは、AメロとBメロ、どちらの調にも(構成音として)含まれているコードというわけです。なので、AメロからBメロを滑らかに繋ぎながら転調することができます。

Bメロへ続きます。

Gコードの橋渡しのおかげで、無事に転調できたBメロ。ここでも、E/G#という分数コードが出てきますので、G→E/G#→Amのベース音をしっかり辿っていきたいところです。

さて、Bメロとサビを繋ぐコードで重要なのが、赤字のCコードです。Bメロからサビは、CからFへ転調します。Bメロ(C)でのCは、Ⅰのコードですが、サビでのCは、Ⅴのコードとなります。こちらもサビのF調にとってはドミナントコードで、CからFへと導く効果のあるコードになっています。同様に、CコードはBメロとサビのどちらの調にも(構成音として)含まれます。なので、Bメロとサビを滑らかに繋ぐことができます。

ここまでが、自然に転調を行うカラクリの紹介でした。この展開を意識しながら原曲を聴くと、パートが進むたびに曲調が絶妙に変化して盛り上がっていく様子を感じられると思います。ぜひ原曲を聴いてみてください!

 

◎さあ、二回の転調を経て奏でられるサビも熱いコード進行のオンパレードです。

まずはこちら、F|Em-5 A7 です。これは(Ⅰ→Ⅶm-5→Ⅲ7)という形としてよく登場するシャレオツコードなので、覚えるといつでもどこでもお洒落な演出ができます。ド定番の形ですが、やっぱりこれがオサレなんですよね(個人的感想)。

これだけでもすっごくいいのですが、それだけではありません。多くはⅠ→Ⅶm-5→Ⅲ7からⅥmに繋がります。ここではA7からDmに行きたいところなのですが、この曲ではDsus4→Dとしてるところが熱いんですよ……‼︎ Dmの第三音を半音上げることで、またさらに次のコードを煽ってくるのです。A7でも充分煽られてるのに、Dでさらに圧をかけてきます。「まだまだそんなもんじゃないだろう?!」と誘ってくるDコードの言葉が聞こえてきます(幻聴)。

そんなDコードが導くのはGmです。Dコードで半音持ち上げられた第三音(F#)がGmの主音(G)へと繋がるわけです。そしてそして、現れるのが緑字のGm|B♭aug/G♭|B♭/F|Em7-5 の進行。これは以前のコード進行解説でも登場したクリシェの形です。GmからEm7-5へ、階段を降りるようにベース音がG→G♭→F→Eへと半音ずつ順次進行しています。

あれだけ煽ってきたのに、今度は半音ずつ下げてくるツンデレみたいです。最高です。

エモい展開はまだまだ続きます。

階段を降りたと思ったら、再び現れるA7。今度はおとなしくDmへと進行してくれます。しかし続いて現れたのは、緑字のこちら。Dm|Faug/C#|F/C|G7/B

クリシェです。

さっきクリシェしたのに…!もう私のライフがガンガンに削られているのに追い打ちをかけてきます。

DmからG7へと、ベース音がD→D♭→C→Bと、同様に順次進行して行きます。最後にはB→B♭へとサブドミナントのコードに落ち着きます。

……もう怒涛のエモコード進行の嵐で、切なさに溢れて恍惚とした気持ちになります。コードが展開されるたびにあぁ……というため息しか出ません(変態)。これらのコード進行が曲の雰囲気を増してくれて、ただまっすぐな気持ちだけじゃない、揺れる気持ちや哀愁、切なさを沸きたててくれます。

 

◎また、この曲の熱いところは一番と二番のギャップだと思います。一番ではピアノとギターでしっとりと歌われ、音数や刻まれるリズムの数が増え、サビからベースが加わり、ドラムは二番から加わり、盛り上がりに拍車をかけていきます。ガルパのリズムゲーム部分で聴けるのは、この二番からなので、ぜひ原曲を始めから聴いていただくことをオススメしたいです!

 

コード進行の良さを文章で伝えようとすると、どうしても語りがおかしくなってしまうのをご了承ください…。こればっかりは実際に曲を聴いて感じていただくしかないかと思います。言葉にできない感情を表現できるのが、音楽の良さなのですよ(まとめたつもりか)。

 

では、ここまで読んでくださってありがとうございました。

1000回潤んだ空

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耳コピコード進行解説『はれやか すこやか ぴかりんりん♪』ハロー、ハッピーワールド !(バンドリ!)

ご無沙汰しています。

バンドリ!ガールズバンドパーティ」より、ハロー、ハッピーワールド !の『はれやか すこやか ぴかりんりん♪』の耳コピコード進行です。

最近のイベントでは、『にこ×にこ=ハイパースマイルパワー!』という新曲が出ましたね!笑顔パトロール隊というコンセプトで、スマイル満載の歌詞に、四つ打ちドラムがカッコいい曲です。

さて今回は『はれやか すこやか ぴかりんりん♪』です。底抜けに明るくて、聴いていて元気をもらいます。今年リリースされるシングル『えがお・シング・あ・ソング』のカップリング曲として収録されるようなので、とても楽しみです!

では、コード進行解説を始めます。

※以下のコードはあくまでも私個人の聴き取りによるものなので、正確さや細かなニュアンスに欠ける部分があります。ご了承ください。

 

『はれやか すこやか ぴかりんりん♪』

歌:ハロー、ハッピーワールド

作詞:織田あすかElements Garden

作曲:笠井雄太(Elements Garden

編曲:笠井雄太(Elements Garden

(2018年)

Key=C

◇イントロ(おひさまがぴかりんりんりん〜)

C F|Em E Am|F C|Dm G

C|F|C|F G

 

◇Aメロ(気持ちの延長線上もやもや〜)

C|E7|Am|F G|C|E7|Am|F G

 

◇Bメロ(いつでもなんでも お見通しのウィンク〜)

F|G|Em|Am|F|C|Dm Em F|D Gsus4 G|N.C.

 

◇サビ(はれやかすこやかでほっぺた〜)

C|G|Am|Em|F|C|F|G A♭ B♭

C|G|Am|Em|F|C|F|G F G|C

 

◎この曲のコード進行の魅力は、まずハ長調(Key=C)なのでほとんどピアノの白鍵で弾けちゃうところです。調性によって曲の雰囲気が変わって聴こえるものらしいですが、このハ長調は他の調よりまっすぐで、伸びやかな印象を受けます(個人的な感想です)。

 

◎この曲もハロハピの中では飛び抜けて明るくて、元気の出る曲です。華やかになるサビに、その特徴が表れているのではないかなぁと思います。

サビのコード進行。たぶん見たことがある方も多いのではと思います。王道中の王道。一番よく使われていて有名なコード進行、パッフェルベル作曲の『カノン』のコード進行です。

C G Am Em F C F G

今回の曲を耳コピする限り、細かなニュアンス(EmがCだったり、FがDmだったり)が異なっているかもしれませんが、大まかな流れはこのコード進行を弾いていて違和感は少ないのではないかなぁと思います。

また、『カノン』と少し違うのは、サビの1フレーズの終わりでG→A♭→B♭という進行になっているところ。2フレーズ目へさらに盛り上げていく効果的なコード進行です。以前も紹介していますので、ご参照ください。

 

◎このコード進行が使われていることで、混じりけがないと言いますか、まっすぐ心に響いてくる曲調になっているなぁと感じます。

細かなリズムを刻むドラムや、ロックバンド編成以外にも、ストリングスやブラスも使われていて、ハロハピらしいサウンドになっています。フルート?ピッコロ?がイントロで目立つフレーズを弾いてる部分があったり、ストリングスなど、キーボードがいても実際にバンドで演奏するのは大変そうですが、編成を増やして演奏できたらきっと楽しくなりそうですね。そのために音源を流すDJがいて、ハロハピは成り立ってるんだなと思います。

 

ハロハピの曲の中で、歌詞もメロディも、とても好きです。「はれやかすこやかぴかりんりん♪」および「えがお・シング・あ・ソング」は今年の8月21日に、ハロハピ5枚目のシングルとして発売されますので、とっても楽しみですね!(宣伝)

では今回は以上です。読んでくださってありがとうございます!

ボーダーレスにハッピーだー!

【試聴動画】ハロー、ハッピーワールド!5th Single「えがお・シング・あ・ソング」(8/21発売!!) - YouTube

 

<2019.8.13 追記>

◎余談ですが、この曲がストーリー楽曲に当てられているガルパゲーム内のイベント「儚い夜の夢」は、奥沢美咲と瀬田薫がメインのストーリーでした。奥沢美咲がハロハピで作曲を始める時に、作曲を学ぶために買った本を誤って親に手放されてしまう。結局、その本は無事に見つかるわけですが、その本に挟んであったメモで、奥沢美咲はハロハピに入ることになった自分の原点、スタート地点を思い出します。

本を親に捨てられてしまったと勘違いして、親と喧嘩してしまった奥沢美咲は、ハロハピのメンバーは親と仲良くしていると聞き、奥沢美咲自身と比べて劣等感を感じる。そんな時、ふと泊まりに行った瀬田薫の部屋で、瀬田薫の役者としてのスタート地点の話を聞き、「あたしも(薫さんのように)育っていたら、親と喧嘩なんてしなかったのかな」と、自身を省みる。

けれど、本の中のメモ書きを見つけたことで、自分の中の原点をあらためて確認し、なおかつそのスタート地点がハロハピにあったということに気づく。奥沢美咲の中でハロハピの存在が大きく変化してきたことが伺える印象的なイベントストーリーでした。

この「はれやかすこやかぴかりんりん♪ 」という曲は、イベントストーリーの中で直接登場はしません。奥沢美咲の原点に触れるストーリーに当てはめてみると、この曲のコード進行は王道で、基礎的でシンプルなものです。メタ的な解釈になりますが、ハロハピが曲作りをする時、奥沢美咲が弦巻こころの鼻歌を楽譜に起こしてメロディにし、北沢はぐみがコード進行を当てているそうです。弦巻こころの鼻歌が偶然にもハ長調を奏で、作曲においても原点に戻るような意図で、このコード進行を当てたのかもしれないと解釈できるのではないでしょうか。奥沢美咲自身にとってのスタート地点、ハロハピが奥沢美咲の中で存在感を増していることが、この曲の曲調に反映されていると解釈すると、とても感慨深いです。

以上のことを踏まえると、「はれやかすこやかぴかりんりん♪」という楽曲は「儚い夜の夢」のイベントストーリーに合致し、奥沢美咲のエピソードに寄り添う楽曲。その歌詞も読み解くと、奥沢美咲の心情を表現した応援歌と言えるのかもしれません。

耳コピコード進行解説『Jamboree! Journey!』Afterglow(バンドリ!)

こりずに「バンドリ!ガールズバンドパーティ」より、Afterglowの『Jamboree! Journey!』の耳コピコード進行です。今回は演奏寄りの感想です。

「COMIC PANIC!!!」のようにバンドメンバーの掛け合いがあって楽しい一曲です。

さっそく行きましょうー♪

 

※以下のコードはあくまでも私個人の聴き取りによるものなので、正確さや細かなニュアンスに欠ける部分があります。ご了承ください。

 

『Jamboree! Journey!』

歌:Afterglow

作詞:織田あすか( Elements Garden)

作曲:藤田淳平(Elements Garden)

(2018年)

 

Key=F#

◇イントロ

F# C# B# C#

C#|C#C#|C#(let's start it now〜)

F# C#|D#m|B|C#|F# C#|D#m|B|C#|C#

 

◇Aメロ(電車でガタゴトゆらねむ)

F#|F#|F#|F#|C#|C#|B7|C#

F#|F#|F#|F#|C#|B7|F#|F# (Gm)

 

◇Bメロ(遠慮は無しだよunderstand)

G#m C#|F# D#m|G#m C#|F# D#m|

G#m A#|D#m C#|B|Bm|C#|C#|C#|C#

 

◇サビ(永遠の友情が照らし出す)

F#|B|C#|F#|D#m|B|G#m|C#

F#|B|C#|F#|D#m|B|G#m|C#

G#m|B|Bm|Bm|G#m|C#

 

◇2番前の間奏

F#|E|G#m G#|C#(2番へ)

 

◇2番後の間奏

D#m|B|C#|F# C#|D#m|B|C#|F# C#

G#m A#m|Bm|Bm|C#|C#|C#|C#(サビへ)

 

◇イントロのギターはスライドバーを使ってそう。サビはストロークとスライドバーのフレーズがあるので、ギター二人でパート分けされていると思います。キーボードはオルガンですね。

◇Aメロからのキーボードはピアノ。ドラムが無くなってギターだけでリズムを刻んでるところがあるのでしっかり決めたいところです。AメロとBメロを繋ぐ、F#→G#mの間にGmを入れて順次進行にしてもいいと思います。

◇Bメロはコードの展開が早いので、しっかり押さえたいところです。キーボードはサビの直前でオルガンになり、サビからはピアノなので素早い切り替えが必要になりそうです。

◇サビのギターはストロークとスライドバーがパート分けされているように聴こえます。

◇2番のAメロとBメロは、ベースのスラップ奏法が目立っていて超カッコいいです。可愛い曲して結構テクニックが必要な曲なのかもですね…。

Jamboree!Journey!

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ツナグ、ソラモヨウ(通常盤)

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耳コピコード進行解説『True color』Afterglow(バンドリ!)

バンドリ!ガールズバンドパーティ!」から。幼馴染エモロックバンドAfterglowの『True color』という曲の耳コピコード進行の解説です。

エモいなんて、ELLEGARDEN以降使わないと思っていましたけど、現役で通じる言葉みたいですね。少し意味も変わってる?

この曲、イントロからエモいです。特に歌詞がとても好きな曲です。変わらないことの証と変わることの証。全員幼馴染という、言葉が多くなくとも通じ合ってる雰囲気を感じるバンドだと思います。邦楽ロックっぽさがあります。

※以下のコードはあくまでも私個人の聴き取りによるものなので、正確さや細かなニュアンスに欠ける部分があります。ご了承ください。

 

True color

作詞:織田あすか(Elements Garden)

作曲: 岩橋星実(Elements Garden)

歌:Afterglow

Key=D

 

◇イントロ

D|A IBm|F#m|G|F#m|Em|A

G|G|F#m|Bm E |Em|F#m|G|B♭ A

 

◇Aメロ

G|G|F#m|F#m|Em|A|Bm|Am D

G|G|F#m|Bm A |Em|F#m|B♭ C|Dsus4 D

 

◇Bメロ

G|G|F#m|F#m|Em|F#|Bm|Am

G#dim|G|F#m|Bm|Em|F#m|G|A

 

◇サビ

G|G|A|A|Bm|Bm|Bm|Bm A

G|G|A|A|Bm|Bm|Bm|Bm A

間奏 G|G|F#m|Bm E |Em|F#m|G|B♭ A

 

◇Cメロ(あたしたちが変わらない証と)

G|G|F#m|F#m|Em|Em|Bm|A

B♭|C|Dm C|G|Gm|Gm|Asus4|A

◇サビ同様。

 

◎この曲のエモポイントは、BメロとCメロかなぁと思います。

Bメロの2フレーズ目、

G#dim|G|F#m|Bm|Em|F#m|G|A の、

G#dim→G(V#dim→V)への繋ぎ。

ソ#-シ-レ→ソ-シ-レのコードの形を意識して、ベース音の下降を聴かせられたらカッコいいと思います。

Cメロも2フレーズ目。

B♭|C|Dm C|G|Gm|Gm|Asus4|A

(Ⅳ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅴ→Ⅱ→Ⅱm→Ⅲ)

Aメロにも登場するB♭→Cは、この部分だけ転調しているといいますか、B♭→C→Dにダイナミックに繋げる進行でよく使われます。主調のコードに見事に着地します。エモ進行なので大事です。このB♭がどこから来ているかというと、Key=D(ニ長調)の同主調(ニ短調、Key=Dm)の平行調(へ長調、Key=F)という、親戚にあたる調になります。その調のⅣ→Vという進行なんです。ですので、丸カッコ書きの進行はこの転調後のコード番号です。

(Ⅳ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅴ→Ⅱ→Ⅱm→Ⅲ)

そして、最後のサビには元の調に戻っています。どこで戻るかというと、Gm→A sus4で戻ります。Gmは転調後(Key=F)のⅡmのコード。AはⅢのコードにあたります。Ⅱm→Ⅲという進行です。これはよく登場するコード進行で、BメロにもEm→F#という同じ形で登場します。変化をつけ、移調を繋げることができます。そしてこのAは元の調(Key=D)のⅤのコードにあたります。ここまでくれば、Bメロ終わりからサビの始まり、A→Gへの進行がスムーズになります。エモエモですね(言いたいだけ)。このCメロはそんな構成が隠れている聴かせどころですので、つぐって(頑張って)いきましょうー!

True color

True color

 

True color

True color

 

 



耳コピコード進行解説『八月のif』Poppin'Party(バンドリ!)

今回も「バンドリ!ガールズバンドパーティ!」から。主役バンド、Poppin'Partyの楽曲「八月のif」をコード進行解説します。「もしも私たちが出会ってなかったら、どんな夏になっていただろう」という、バンドメンバーの出会いや青春の短い輝きを、切ない夏の季節に当てはめた名曲だと思います。メロディはどこか懐かしく、サビは伸びやかでハモリも綺麗です。歌詞も沁みます。個人的にこのバンドで一番大好きな曲です。

この曲のコードは全体を通してシンプルですが、最後のサビにグッときました…。結末で、突然差し込まれたたった一つのコードに胸を締め付けられました。

詳しくは後にまわして、さっそくコード進行を書いていきます。

※以下のコードはあくまでも私個人の聴き取りによるものなので、正確さや細かなニュアンスに欠ける部分があります。ご了承ください。

 

『八月のif』

歌:Poppin'Party

作詞:中村航

作曲:藤永龍太郎

 

Key=A

◇イントロ

A|D|Esus4|Esus4|A|D|Esus4|E

 

◇Aメロ

D|D|A|A|D|D|A|A

D|E|A|F#m|Bm|E|A|A

 

◇Bメロ

C#m|D|E|F#m

Bm|C#m|D|D|Esus4|E

 

◇サビ

D|D|C#m|F#m|Bm|C#7|F#m|Em A

D|D|C#m|F#m|Bm|E|A

 

◇サビラスト(立ち止まった〜)

D|D|C#m|F#m|Bm|C#7|F#m|Em A

B/D#|D|C#m|F#m|Bm|E|A

 

◎まず、サビでBm→C#7→F#m(Ⅱ→Ⅲ7→Ⅵm)という王道のグッとくるコードに続き、F#m→Em→A(Ⅵm→Ⅴm→Ⅰ)も展開されてより叙情的になっています。あとは、サビのDコード(レ-ファ#-ラ)で、メロディはシがなっています。同時にレファ#ラシという構成音のD6が鳴っていることになり、これもまたオシャレな、哀愁漂う響きとなっています。

スローなロックの曲調で重要な部分をしっかり取り入れたコード進行があり、これだけでもお腹いっぱいなのですが、今回の悶絶ポイントはラストのサビです。

 

B/D#|D|C#m|F#m|Bm|E|A

Ⅱ→Ⅳ→Ⅲm→Ⅳmという進行。

このワンフレーズ。冒頭にBが来ています。そこから今まで通りDに戻って進行しています。

来ました。こいつです。

もうたまりません。

たいてい、このB(ダイアトニックコードの2番目のコード)は、Key=Aにおいては、D→B→E(Ⅳ→Ⅱ→Ⅴ)という形で、ⅣとⅤを滑らかに繋ぐ役割でよく登場します。たとえるなら、添え物、調味料のような味付け成分です。その調味料がここではサビ冒頭に持ってこられて、「俺を食え!」と激しく主張してきます。マヨネーズをかけ過ぎてマヨネーズの味しかしないって感じです(伝わらない)。

ⅣとⅤのコードの繋ぎや、装飾、味付けで登場するコードが冒頭に来た後、Ⅳに戻るんですね。

Ⅱ→Ⅳ→Ⅲm→Ⅳmという数字の流れだけを見ると、なんの複雑さもないシンプルな進行に見えます。Ⅱ→Ⅳはよく見られる進行なのですが、フレーズの冒頭に登場すると曲の雰囲気がガラッと変わります。ダイアトニックコードとしてのⅡmがⅡのメジャーコードになっているのに、響きはどこか儚くて切ない感じになっていてすごいです。まして、この曲はシンプルで、ほぼ調から激しく逸脱しないメジャーな進行が続く中で、唐突に訪れる変化なので、より際立ってます。

さらに一味違うのが、おそらくBコード(Ⅱ)の第三音がベース音になっているところだと思います。ベース音が次のコードに半音下がって繋がるんですよね。これが普通の和音で鳴らされているのと、ベース音が転回されているのとでは、雰囲気が変わります。かつて調味料だったマヨネーズがマヨネーズを超越し、マヨラーをも唸らせる何かになる瞬間なのです(伝わらない)

この形で登場したからこそ、この曲の持つ寂しさや切なさが強調、増幅されて伝わって、ぎゅーっと胸を締め付けられるコードになるのです。

◎感想

最後の最後で変えてきたよおおおおうええええ(うるさい)。

この曲のこの部分に完全にやられてしまいました。使われているコードは単純なのに、残された傷は深い。あのたった一個のコードを、ラストのサビに一発撃ち込んでくるのがかっこよすぎて心臓撃ち抜かれて死んでもいい(大袈裟)。もう切なくて切なくて切なさが過ぎる。ありもしない夏の思い出が浮かんで郷愁に浸ります。エモい。昇天。恍惚。天に召される。どんな言葉でも表せないコードと音楽の魅力。

これが書きたかっただけです。失礼しました。

八月のif

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